物理 > 動く解説 > 物理基礎 第1編 運動とエネルギー|第2章 運動の法則
机の上の本にはたらく,重力 \(mg\)(下)と垂直抗力 \(N\)(上)。大きさが等しく向きが逆——これは作用・反作用だろうか。
\(mg\) と \(N\)。どちらも本にはたらく。
\(N\)(本に)と \(N'\)(机に)。
なぜ分けられるのか。力の相手を 1 つずつたどる。
本にはたらく力を数える(解説①),\(N\) の相手(解説②),\(mg\) の相手(解説③)の順に見る。
力を数えるときは,1 つの物体を取り出して,その物体が受ける力だけを書く。
重力 \(mg\)(地球が本を引く)と,垂直抗力 \(N\)(机が本を押す)。
どちらも本にはたらく 2 力。本は静止しているので \(N = mg\)。
「机が本を押す」の主語と目的語を入れかえると,「本が机を押す」。これが \(N\) の反作用 \(N'\) で,机にはたらく。相手は別の物体なので,\(N\) と \(N'\) はつりあわない。
「地球が本を引く」を入れかえると,「本が地球を引く」。この力 \(F'\) は地球にはたらく。地球はとても重いので動いて見えないだけで,力は確かにはたらいている。
重力 \(m_1 g\) と,下の本が上の本を押す力。この 2 つがつりあう。
重力 \(m_2 g\),上の本が下の本を押す力(上の力の反作用),机が押す力。この 3 つがつりあう。
\(N = (m_1 + m_2)g\)
取り出す物体を変えると,書く力も変わる。どの物体を見ているかをいつもはっきりさせる。
同じ物体にはたらく 2 力が等しく逆向き。物体が静止(または等速)。
別々の物体にはたらくので,つりあうことはない。いつも同時に,同じ大きさで逆向き。
足が地面を後ろへ押す(作用)と,地面が足を前へ押す(反作用)。人を前へ進めているのは,この地面からの力。自分で自分を押して進んでいるのではない。
ガスを後ろへ押し出す(作用)と,ガスがロケットを前へ押す(反作用)。押す壁が要るのではなく,相手の物体(ここではガス)があればよい。
つりあう 2 力は同じ物体にはたらくので,合力が 0 になって運動が変わらない。作用・反作用の 2 力は別々の物体にはたらくので,それぞれの物体の運動を変える。たとえば人がボールを投げると,ボールは前へ飛び,人は(わずかに)後ろへ押される。