物理 > 動く解説 > 物理基礎 第1編 運動とエネルギー|第2章 運動の法則

これは 作用・反作用?

❓ 1. 疑問と結論

机の上の本にはたらく,重力 \(mg\)(下)と垂直抗力 \(N\)(上)。大きさが等しく向きが逆——これは作用・反作用だろうか。

🎯 結論:見分けは「どの物体にはたらくか」

1 つの物体にはたらく 2 力 → つりあい/2 つの物体のあいだで押し合う・引き合う → 作用・反作用
💡
作用・反作用の法則(運動の第三法則)……物体 A が B に力を加えると,B も A に,同じ大きさで逆向きの力を加える。2 力は別々の物体にはたらく

なぜ分けられるのか。力の相手を 1 つずつたどる。

📚 2. 解説と確かめ

本にはたらく力を数える(解説①),\(N\) の相手(解説②),\(mg\) の相手(解説③)の順に見る。

⚖ 解説①:どちらも本にはたらく

  1. 本だけを取り出す

    力を数えるときは,1 つの物体を取り出して,その物体が受ける力だけを書く。

  2. 本が受ける力は 2 つ

    重力 \(mg\)(地球が本を引く)と,垂直抗力 \(N\)(机が本を押す)。

  3. だからつりあい

    どちらも本にはたらく 2 力。本は静止しているので \(N = mg\)。

🤝 解説②:N の相手は「本が机を押す力」

💬 相手の見つけ方

「机が本を押す」の主語と目的語を入れかえると,「本が机を押す」。これが \(N\) の反作用 \(N'\) で,机にはたらく。相手は別の物体なので,\(N\) と \(N'\) はつりあわない。

🌏 解説③:mg の相手は「本が地球を引く力」

💬 相手の見つけ方

「地球が本を引く」を入れかえると,「本が地球を引く」。この力 \(F'\) は地球にはたらく。地球はとても重いので動いて見えないだけで,力は確かにはたらいている。

🧮 確かめ:本を 2 冊重ねると

  1. 上の本にはたらく力

    重力 \(m_1 g\) と,下の本が上の本を押す力。この 2 つがつりあう。

  2. 下の本にはたらく力

    重力 \(m_2 g\),上の本が下の本を押す力(上の力の反作用),机が押す力。この 3 つがつりあう。

  3. 机が押す力

    \(N = (m_1 + m_2)g\)

    取り出す物体を変えると,書く力も変わる。どの物体を見ているかをいつもはっきりさせる。

🔑 まとめ

🔍 3. もっと詳しく

🚶 人が歩けるのはなぜか

足が地面を後ろへ押す(作用)と,地面が足を前へ押す(反作用)。人を前へ進めているのは,この地面からの力。自分で自分を押して進んでいるのではない。

🚀 ロケットが宇宙で進めるのはなぜか

ガスを後ろへ押し出す(作用)と,ガスがロケットを前へ押す(反作用)。押す壁が要るのではなく,相手の物体(ここではガス)があればよい。

💡 もう一歩:つりあいは「打ち消す」,作用・反作用は「打ち消さない」

つりあう 2 力は同じ物体にはたらくので,合力が 0 になって運動が変わらない。作用・反作用の 2 力は別々の物体にはたらくので,それぞれの物体の運動を変える。たとえば人がボールを投げると,ボールは前へ飛び,人は(わずかに)後ろへ押される。