物理 > 動く解説 > 物理 第5編 原子|第1章 電子と光
金属に紫の光を当てると,電子が飛び出す(光電効果)。赤い光では出てこない。では,赤い光をうんと強くすれば,電子は飛び出すだろうか。
飛び出すかどうかを決めるのは,光子 1 個のエネルギー \(h\nu\)(振動数 \(\nu\))。光の強さではない。
なぜ強さでは決まらないのか。光子 1 個ずつで考える。
紫の光(解説①),赤い光(解説②),強くした赤い光(解説③)の順に見る。
光は光子というつぶの集まり。光子 1 個のエネルギーは振動数 \(\nu\) で決まる。波の基本式 \(c = \nu\lambda\) から,
\(E = h\nu = \dfrac{hc}{\lambda}\)
電子 1 個は,光子 1 個のエネルギーをまとめて受け取る。外へ出るのに \(W\) を使い,残りが運動エネルギーになる。
\(K_0 = h\nu - W\)
紫の光は振動数が大きく,\(K_0 > 0\)。電子は飛び出す。
赤い光は紫より波長が長く,振動数が小さい。光子 1 個のエネルギー \(h\nu\) も小さい。
\(W\) に足りないので,電子は外へ出られない。
光を強くすると,1 秒に当たる光子の数が増える。1 個のエネルギー \(h\nu\) は変わらない。
電子は光子 1 個ずつからしか受け取れないので,足りない光子をいくら当てても飛び出さない。
「強い光はエネルギーが大きいので,いつかは出るはず」は,光を波とみる考え。光電効果は,光が光子(つぶ)としてふるまう証拠になった。
光子 1 個のエネルギー \(h\nu\)(振動数)で決まる。\(h\nu > W\) のときだけ。
変わるのは光子の数だけ。飛び出すときは,電子の数(電流)が増える。
\(h\nu = W\) となる振動数 \(\nu_0 = \dfrac{W}{h}\) を限界振動数という(波長で言えば限界波長 \(\lambda_0 = \dfrac{hc}{W}\))。\(\nu_0\) より小さい振動数の光では,どんなに強くても電子は出ない。
飛び出す光なら,強くすると光子の数が増え,飛び出す電子の数も増える。陽極の電位を上げて全部の電子を集めたときの電流(飽和電流)は,光の強さに比例する。
一方,飛び出す電子の運動エネルギーの最大値 \(K_0 = h\nu - W\) は,強さによらない(振動数で決まる)。