物理 > 動く解説 > 物理 第1編 力と運動|第3章 運動量の保存
ボールを床に落とすと,跳ね返った高さはもとより低い。では,もとの高さの何倍になる?
\(e = 0.5\) なら \(e^2 = 0.25\)。10 m から落とすと 2.5 m。
跳ねるたびに \(e^2\) 倍。10 → 2.5 → 0.63 → 0.16 m。
反発係数が決めるのは高さではなく速さ。だから,いったん速さに直してから高さへ戻る(次のカード)。
なぜ 2 乗になるのかを式で見てから,いちばん多い思い違いで確かめる。
落ちる → ぶつかる → 上がる,の 3 段。速さを通って高さへ戻る。
空気抵抗は考えない。落ちる向きを正にとる。
\(v^2 - v_0{}^2 = 2ax\) に,\(v_0 = 0\),\(a = g\),\(x = h\)。
\(v_y{}^2 - 0 = 2gh\)
\(v_y{}^2 = 2gh\) ……①
上りなので上向きを正。加速度は \(-g\)。
はじめ \(v_y{}'\),最高点で 0,距離は \(h'\)。
\(0 - v_y{}'^2 = 2(-g)h'\)
両辺を \(-2g\) でわる。
\(h' = \dfrac{v_y{}'^2}{2g}\) ……②
\(v_y{}' = e\,v_y\)
①も②も速さの 2 乗なので,形をそろえる。
\(v_y{}'^2 = e^2 v_y{}^2 = e^2 \cdot 2gh\)
分母と分子の \(2g\) が約分できる。
\(h' = \dfrac{e^2 \cdot 2gh}{2g} = e^2 h\)
落ちるあいだも上がるあいだも,仕事をする力は重力だけ。
$$ \dfrac12 m v_y{}^2 = mgh, \qquad \dfrac12 m v_y{}'^2 = mgh' $$
比をとると,\(m\) と \(g\) が消える。
$$ \dfrac{h'}{h} = \left(\dfrac{v_y{}'}{v_y}\right)^2 = e^2 $$
速さが \(e\) 倍 → 運動エネルギーが \(e^2\) 倍 → それがそのまま位置エネルギーになる。
いちばん多い思い違い。答える前に,自分の答えを決めてから読む。
半分になるのは速さのほう。
\(h' = 0.5^2 \times h = 0.25\,h\)
10 m から落とすと 2.5 m。高さは 4 分の 1。
「\(e = 0.5\) なら高さも半分」は誤り。反発係数は速さの比で,高さは速さの 2 乗で決まる。
ショートでは流した所。知りたい所だけ開く。
跳ねるたびに \(e^2\) 倍。では,何回跳ねて,いつ止まる?
\(h_1 = e^2 h\)
\(h_2 = e^2 h_1 = \left(e^2\right)^2 h\)
同じ割合で減る。公比 \(e^2\) の等比数列。
ちょうど 0 にはならない。跳ねる回数は無限。
跳ね上がる速さは \(e^{n} v_y\)。上がって落ちるまでは,最高点までの 2 倍。
\(t_n = \dfrac{2e^{n} v_y}{g}\)
最初の落下 \(\dfrac{v_y}{g}\) に,\(t_1, t_2, \cdots\) をたす。
$$ T = \dfrac{v_y}{g} + \dfrac{2v_y}{g}\bigl(e + e^2 + \cdots\bigr) $$
公比 \(e\)(\(0 \leqq e \lt 1\))の無限等比級数。
\(e + e^2 + \cdots = \dfrac{e}{1 - e}\)
\(h = 10\ \text{m}\),\(e = 0.5\) なら \(T \fallingdotseq 4.3\ \text{s}\)。無限回跳ねても,4.3 秒で止まる。
\(S = e + e^2 + \cdots\) に \(e\) を掛けると,項が 1 つずつずれる。引くと真ん中が全部消える。
$$ S - eS = e \quad\Longrightarrow\quad S = \dfrac{e}{1 - e} $$
動いた道のりを \(D\) とおく。跳ね返ったあとは,同じ高さを上りと下りで 2 回通る。
$$ D = h + 2\left(h_1 + h_2 + \cdots\right) $$
$$ {}= h\left(1 + \dfrac{2e^2}{1 - e^2}\right) \fallingdotseq 16.7\ \text{m} $$
| \(e\) | 0.1(粘土) | 0.5 | 0.9(スーパーボール) |
|---|---|---|---|
| \(T\) | 1.7 s | 4.3 s | 27 s |
\(e\) が 1 に近いほど,\(T\) は急に長くなる。
斜めに当たっても,跳ね返りの高さは \(e^2\) 倍?
床に平行な成分と,床に垂直な成分。
なめらかな床は,平行な向きに力をおよぼさない。
反発係数が効くのは床に垂直な成分だけ。
「入射角 = 反射角」は \(e = 1\) のときだけ。\(e \lt 1\) なら,跳ね返った球は床に寝て飛ぶ。
床が動いているときは相対速度で考える(\(V\):床の速度)。
\(v' - V = -e\,(v - V)\)